キャンプの1番の楽しみは、やっぱり焚き火!
という方、多いんじゃないでしょうか。
私ももちろん焚火が好きで、
キャンプでは寝るまで焚き火をしながらお酒を楽しんでいます。
ただ薪を燃やしているだけなのにいつまでも見ていられる不思議な魅力がありますよね。
そんな楽しいキャンプの焚き火ですが、慣れないうちは色々と悩みどころもあったりします。
・火起こしに時間がかかってしょうがない
・せっかく付いた火が消えてしまう
・薪が爆ぜて怖い
・焚き火で調理用の炭火を作ったのに、火力が弱くて全然焼けない
この記事では、焚き火をもっと簡単に楽しめる様に、有用な情報を紹介していきます。
火起こしは誰でも簡単に素早くできる方法で!
着火は効率的に
火起こしと言って真っ先にイメージする方法と言えば、
新聞紙を火種として、拾ってきた小枝へ火を付けたら、徐々に薪や炭へと火を移していく
といったやり方ではないでしょうか。
こういった火起こしが出来るとやっぱり恰好良いですよね。
しかし一方で、実はこの方法はコツも色々とありますし、意外と難しい方法です。
落ちている小枝などは湿気っているものも多くて火がつきにくかったり、せっかく火がついても火力が弱くて本命の薪に火が移る前に鎮火してしまったりと、火が安定するまで何回も火起こしをやり直し、なんて事になったりします。
これからキャンプを楽しもうって時に、さっそくここで躓いてしまうとちょっとストレスですね。
そんな火起こし、
ストレスなく 簡単に 素早く済ませるには、着火剤や固形燃料などの着火を補助してくれるアイテムを使うのがおススメです。道具に頼るのは少し味気無さを感じるかもしれませんが、使うのと使わないのでは火起こし時間に雲泥の差があります。
私は簡単に着火できるタイプの固形燃料を使っていますが、3分もあれば薪へ火が回り、5分もすれば焚火台の上はボーボーに燃えています。
なお、愛用している固形燃料は、
Logos社製「エコココロゴス ミニラウンドストーブ」
です。
このミニラウンドストーブへの点火は火を一点に当てて20秒程保持する方法なので、ターボライターなど風に強い道具を用意しておくと着火が楽に出来ます。
ちなみに私はと言うと、ミニラウンドストーブを火ばさみで掴んでイワタニのカセットコンロで着火しています。火の勢いと点数がライターとは段違いなので、もの凄い速さで全体的に火が付きます。
※安全の確保はご自身でしっかり行ってください
このミニラウンドストーブですが、1度火がついてしまえば火力は強く、燃焼時間も30分以上はあるので、非常に使い勝手が良くておススメです。
使い勝手以外にも良い点は多々あり、ヤシガラ炭から出来ている固形燃料なので着火剤と違ってイヤな匂いもしないですし、固形なので扱いを失敗しても液漏れの様なリスクもなく保管性も良いなど、最高の着火補助アイテムです。
着火の後は火を育てる
焚き火台の上で火がしっかりと薪に移ったら、次は火を育てる段階です。
ここでは、薪の組み方が大事なポイントになります。
焚き火台の火は、薪の組み方ひとつで勢いを増すこともできれば、逆に消えていく事もあります。
ではどういった条件で火をコントロールをしていくと焚き火を上手く続けられるかを見ていきます。
火が燃える条件を知る
どうすれば燃えるかなどということは誰もが何となくはわかっている事ですが、改めて火が燃えるのに必要な条件が何かと聞かれると、明確に答えられる人は案外少ないのではないでしょうか。
こういった事を知っておくだけでも、焚き火がうまくいかない時の原因推察を正しく出来たり、上手に焚き火を続けるためのやり方を考察出来たりするので、キャンプの幅も広げられますね。
火が燃える条件には燃焼の3要素という3点が必要になります。
この条件が全て揃った時に火は勢いを増し、逆にどれか1つでも条件が欠けると火は消えていきます。
火が消えていってしまう場合
せっかく火起こしが出来たのに気づくと火が小さくなったり消えてしまったりという経験は、多くの人がしたことがあるかと思います。
これは燃焼の3要素のいずれかが焚火の進行につれて欠けてしまったためで、ほとんどの場合は酸素不足が原因です。
焚き火台の中だけの話とは言え、重なり合って燃えている薪たちの中心までまんべんなく酸素を行き届かせられているかと言うと、案外そうなっていない事の方が多いんじゃないでしょうか。
それだけではなく、焚き火を続けていれば薪は崩れますし、灰や炭は底に溜まっていきます。こうして刻々と変わっていく燃焼条件によって、焚火内部への空気の流入経路が絶たれてしまう事で酸素不足が進み火が消えていってしまいます。
こうならない為には、焚き火内部への空気の通り道を確保する事が大事になってくるので、常に新鮮な空気を供給し続けられる様な薪の組み方を意識をしていきましょう。
焚火を燃やし続けるには
焚火における空気(酸素)の供給イメージはこの様になります。
①炎の回りは空気が暖められて上昇気流として上に向かって空気が流れていく
②暖められた空気が上に抜けた分、同量の空気が焚火の下側(もしくは横)から流入しようとする
この様に、焚き火で生まれた上昇気流で排気が進むぶん、新鮮な空気が焚き火側へ取り入れられていきます。この時、焚火中心部への空気の通り道が無いと、せっかく空気の取り入れをしようにも中心まで新鮮な空気は届かず、焚き火の上っ面をかすめて上昇気流で上へ排気されるだけになってしまいます。
その為、焚き火の内側へと空気が通れる道を確保しておく事が、火を燃やし続ける大事な要素になるのです。
焚火を始めて時間が経つとだんだん崩れた薪や灰などで空気の流入経路が塞がれてくるので、適時新しい薪を下側に配置するなどして空気の通り道を確保できると、火は消えずに自然と燃え続けてくれる様になります。
余談ですが、焚火に空気を送ろうとしてうちわを全力で仰ぎまくる事、したことありませんか?
実はコレ、焚き火自体の温度も全体的に下がってしまうため、3要素のひとつの点火源としての機能を下げてしまうので、あまり良い方法では無いんです。もしうちわで風を送るならば、空気を送りたいポイントに焦点を絞って仰ぐのがコツです。
また、持ち物に余裕があれば火吹き棒を用意してみるのは如何でしょうか。
空気をピンポイントで送りたい場所へ送れて効率的な火起こしになりますし、もっていると玄人感も出て恰好良いですよ。
薪の組み方で燃え方を変える
薪の組み方は、ベーシックな井桁型をはじめとして合掌型、インディアン型、並列型など、いろいろなパターンがあります。
その組み方ひとつで、火力を強くできたり燃えている時間を長持ちさせたりと効果も違ってくるので、シーンによって使い分けが出来る様になると焚き火の幅が広がって楽しいですよ。
今回は焚き火を簡単に上手に楽しめる方法を紹介しているので、おススメする薪の組み方は、ベーシックな井桁型です。
組み方は↑の模式図の様に薪を井の字に並べるだけなのでコツなども特にありませんし、空気の通り道も取りやすいので、簡単で安定した炎を期待できます。
そういえば、キャンプファイヤーもこの組み方ですね。
薪の種類で燃え方を変える
木は針葉樹と広葉樹に分かれますが、それぞれ薪の燃え方もかなり違います。
キャンプ場によっては針葉樹系と広葉樹系の両方の薪を販売している所もあるので、両方の薪が手に入る時はぜひ両方を揃えて、使い分けながら焚き火を楽しむのがおススメです。
私は1日に薪2束を使うので、両方の薪が手に入る時はもちろん1束ずつ買わせてもらっています。
針葉樹系の薪
スギ、ヒノキ、アカマツなどがこれに該当します。
特徴としては、油分が多いので火が付きいので、火起こしに適しています。
一方で、よく燃えるぶん火持ちが悪いので、薪の消費量は多くなりがちです。
キャンプ場に置いてある薪は、たいていはこの針葉樹系のものですね。
広葉樹系の薪
ナラ、クヌギ、カシ、サクラなどがこれに該当します。
特徴としては、火持ちが良くて少ない量で長時間の焚火を楽しめます。
一方で、火がつきにくいので、火起こしには向いていません。
キャンプ場に置いてあったらラッキーですね。夜の焚き火の為に買っておきましょう!じんわり燃えていく姿、見ていて落ち着きますよ。
薪が爆ぜるのが怖い
焚き火をしていると薪が大きな音を立てて爆ぜる事がありますが、だいたいの人は経験したことがあるんじゃないでしょうか。
薪が爆ぜると火の粉は思っている以上に遠くまで飛んできますし怖いですよね。
火の粉は、洋服やテントを溶かしてしまったり、顔や目に向かって飛んできたら大怪我の可能性もあります。
薪が爆ぜる事をゼロ化する事はできないですが、せめて原因を知っておけば一定の対策は出来るので、ポイントは抑えておきたいですね。
薪が爆ぜる理由
薪が爆ぜる理由は水蒸気爆発です。
薪の内側の水分が焚き火で急速に熱せられて水蒸気の逃げ場がなくなり、ピークに達したところで薪の外皮ごと破裂をするので、火の粉が遠くまで飛んでくるのがこの現象です。
そもそも薪は生木を長期間乾燥させて作りますが、それでも中に水分は含まれています。
条件面では、保管中の薪に雨が当たっていれば当然水分は増えていきますし、自分のサイトに持ってきてからも地面に置いているだけでも水分量は増えていきます。
その為、これから焚き火をする薪の水分量を極力少なくコントロールする事が、薪を爆ぜにくくする方法になります。
キャンプ場で薪を買う場合には購入する薪の状態はどうしようもありませんが、せめて購入後の薪の保管は地面に設置しない様にしておきたいですね。
薪のサイズを整える
キャンプ場で購入する薪、サイズが大きすぎると感じた事はありませんか?
サイズが大きすぎる薪は火付きが悪かったり焚き火台に乗せた際のバランスが悪かったりするので、ある程度の薪の大きさにリサイズしてあげると、使い勝手が良くなります。
薪のリサイズに必要になるのが、斧や薪割り台といった薪割りアイテムです。
使っていると一気に玄人感が増して恰好良いですね。
私は手斧を使って薪割りをしていますが、薪割りめちゃくちゃ楽しいです!
薪割りの音って良いですよね。
「コーン」と響く音が、なんか好きです。
とは言え、薪割りは斧を使いますし薪も硬いので、危険性もある作業です。
(私は手斧だけで薪割りをやってしまっていますが)これから薪割りを始めるならば、薪割り台も併せて用意する事をおススメします。
薪は思っている以上に硬いので、斧を振り下ろすにも力いっぱい振り下ろさないと薪に斧が入っていきません。漫画の様に薪が自立している所に斧を振り下ろすなら良いですが、実際は自立なんてしてくれないので手近な石や足を使って薪を立させたところへ手斧を振り下ろすので、そこそこ危ない作業になりがちです。
その為、薪割り台を用意する方が、安全な薪割りができて良いかと思います。
調理用に熾火を作ろう
薪の火が安定した後は、調理用に熾火を作っていきましょう。
熾火というのは、炭が芯までしっかり火が入っている状態を言い、見た目は真っ赤になっていて、火力は非常に高いながらも安定している状態です。高温でありつつ温度が下がりにくいこの熾火状態の炭こそ、キャンプ調理を成功させる大事なポイントになります。
イメージだけで話すと、ボーボーと燃え上がっている炎の方が温度も高く調理に適しているように感じます。これは自宅で使うガスコンロが炎だからこそのイメージなんでしょうね。
ただキャンプでは、熱源と調理器具の距離であったり、火自体の安定度合いであったりと、様々な要因もあってボーボーの炎からは思っているほどの火力を得られません。それどころか、調理器具はススまみれになってしまいますし、炎を使った調理はあまりおススメできません。
一方で、熾火の場合は高火力で安定し続けてくれますし、ススなどもでないので理想的な調理熱源になっています。
その為、調理工程に入る前にはこの熾火を用意しておきたいので、そうなるとやはり火起こしに時間を掛けている場合ではないので、効率的に熾火造りまでを行っていきたいですね。
焚火を楽しむ
夕食も終われば、あとはただただ焚火を楽しむ時間ですね。
ただ焚き火を延々と見る事がキャンプの醍醐味と感じてしまうから、本当に不思議です。
焚火を楽しむついでに、焼き芋をするのも楽しいですよ。
夜、小腹がすくころには出来上がるはずです。
最後に
この記事がみなさんの焚火を更に楽しめる手助けになってくれると嬉しいです。
是非、自分なりの焚火スタンスを見つけてみてください。
それでは、良いキャンプを♪