投資信託、実投資額に対する評価損益の不整合の理由がようやく理解できた(SBI証券)

投資全般

こんにちは。チンアナゴです。

今回は毎月分配型の投資信託で感じていた、評価損益に関するモヤモヤの話です。

私はSBI証券の口座で毎月分配型の投資信託にも投資をしているのですが、いつからなのか気づいた時には、“実投資額”に対して”現在の評価額”がマイナスのはずなのに、“評価損益”はプラスで表記されているという謎の状態になっていて、だいぶ混乱した経験がありました。

最初は、信託報酬などの管理費用や投資信託購入の手数料などに自分の認識ズレがあったのかを疑い、証券会社の投資信託手数料の規定であったり投資信託商品の目論見書を隅々まで確認していたのですが解決に至らず…

そうこうしている間に評価損益の不整合の額も見過ごせないレベルとなり、当時はだいぶ焦りながら調べていました。

今はようやく理解できてモヤモヤが解決できたので、今回の記事に纏めようと思います。

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実投資額に対する評価損益の不整合とは?

さっそくですがどういう事かと言うと、

「仮に40万円分の投資信託を購入したとして、評価額が36万円まで下がった時点ならば評価損益はマイナス4万円と表記されると思いきや、実際の証券口座の評価損益にはプラス8千円と表記されている」

こういった状態でした。

SBI証券のポートフォリオ画面や口座管理画面では、上図の”証券口座内の表記”部分に書いてある情報はダイレクトに見える仕様になっています。

一方で、“実際のところ”に書いている様な実投資額に関する情報については、表示画面はありません。
(過去の購入履歴等から引っ張る事は出来るので、必要に応じて調べるカタチになります)

こういった中、実際に投資した金額よりも評価額が下がっている状態なのにも関わらず評価損益がプラスに表示されている状態に気づいた事で、今の評価額が元本に対してプラスかマイナスかがわからなくなってしまいました。

今回の記事では、これを実投資額に対する評価損益の不整合と呼んでいます。

なお、投資信託を購入している方には積立購入をしている人も多いと思いますが、積立購入を続けていると自分がその商品にいくら投資をしているのか把握できなくなった経験はありませんか。

当時の私がまさにそうで、「大雑把にこれくらい投資しているはず」という数字しか認識していませんでした。

そんな曖昧な状態でこの不整合を気にし出してしまいましたが、毎日型の積立購入で日々購入額が上積みされていく状態と重なって現状把握もしにくく原因もなかなか掴めず、分配型で毎月お金が入るはずが、原因不明のままお金だけ吸い取られている様な感覚で困ってしまっていました。

投資信託の必要経費

話を進めるにあたり、投資信託の必要経費を整理しておきます。
(この必要経費は、不整合の原因ではありません)

こう見ると投資信託は手数料だらけに感してくださいじますが、実際には無料設定のものも多かったりします。

購入時手数料

投資信託を購入する際に販売会社へ支払う費用です。

最近はネット証券を中心に手数料無料化が進んでいます。

信託報酬

投資信託商品を保有している間、投資信託を管理・運用してもらう為に掛かる管理費用です。

概ね0.5~2.0%/年 程に設定されている事が多いです。

信託財産の中から毎日差し引かれるカタチなので別途支払うものではありませんが、基準価額に影響するので、最低限この数値以上のパフォーマンスを出せる商品を選びたいです。

信託財産留保額

投資信託商品を解約する際に掛かる費用です。

概ね0.3%以下程に設定される事が多く、なかには費用が掛からない商品もあります。

基準価額に対して、設定値分だけ解約時に解約代金から差し引かれます。

解約手数料

投資信託商品を解約する時に掛かる費用です。

手数料が掛からない場合も多いですが、一部商品では発生します。

基準価額に対して、設定値分だけ解約時に解約代金から差し引かれます。

実投資額に対する評価損益の不整合の原因は?

SBI証券の証券口座内の表記では、投資信託の評価損益は “(現在値 – 取得単価) × 数量 “で表現されますが、問題の不整合を生んでいるのはこの中の取得単価の部分になります。

この取得単価、株式投資と投資信託で同じ表現で載っていますが、その中身は少しニュアンスが異なります。

株式投資の取得単価
 保有株式の平均購入価額を表しています。
 平均購入価額なので新たな株式購入をしない限り取得単価の変動はありません。(株式分割等は除く)

投資信託の取得単価
 投資信託の場合、個別元本を表しています。
 個別元本は投資信託を購入した際の基準価額をベースに計算される取得元本の事で、ここまでは株式投資の場合と似たようなものです。
 一方、分配金を始めとした税金算出の基準にもなる数字の為、分配金を受け取る際に「元本払戻金(特別分配金)」として受け取ると、個別元本は減額修正されます。

という事で、

今回の不整合の原因は 分配金を「元本払戻金(特別分配金)」で受け取った際の個別元本の減額修正にある事がわかりました。

私の場合、基本的には毎月分配型の商品を購入していたので、分配金が毎月支払われ、そのうちのいくらかが「元本払戻金(特別分配金)」となっていた事で、投資信託の取得単価が減額修正されていた様です。

そして、この減額修正によって取得単価が実際の購入価額よりも下に表記されている為、評価損益は実際よりもプラス側に計算されてしまい、今回の不整合へと繋がったようです。

分配金の種類とは?

投資信託の分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があります。

受け取る分配金がどちらになるのかは、決算日時点の分配落ち後のファンド基準価額に対して個別元本が上か下かで決まります。

個別元本が上であれば「普通分配金」として全額に課税がされ、逆に下であれば「元本払い戻し金(特別分配金)」となり課税されず、その代わり個別元本の価額が減少します。
課税ラインが下がるイメージですね。

なお、同じ投資信託商品を持つ人同士でも個別元本の額は違うので、「普通分配金」になるか「元本払戻金(特別分配金)」 になるかは人によって異なります。

評価損益を正しく把握するにはどうすれば良いか?

これまでの通り、SBI証券の投資信託画面では個別元本を基準に評価損益を表示している為、「元本払戻金(特別分配金)」による個別元本の減額修正が発生した事があるならば、評価損益の数字を鵜呑みにして判断はしない方がよさそうです。

なぜならこの数字には既に 「元本払戻金(特別分配金)」 として受け取った分配金分、補正が掛かっている様なものですから。

その為、投資信託をする上では、その投資信託にいくら出資したのかを画面表記ではなく自分で把握・管理しておく様にする事をおススメします。私は積立購入をしたりもしていますが、最終的にはキリが良い金額になる様に調整する様にしています。。

ちなみに、その投資信託に実投資としていくら出資しているかを調べる場合は、”口座管理内の取引履歴”から商品指定と期間指定をすれば過去分までさかのぼって調査は可能です。

また、受け取った分配金が「普通分配金」なのか 「元本払戻金(特別分配金)」 なのかは、電子交付書面などの報告書で確認可能です。

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最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。

本記事を書くキッカケとなった実投資額と評価損益表記の不整合は、調べてみても悩みにピッタリくる情報がなかなか出てきませんでした。

この記事が同じ悩みを持っている人の解決になれれば幸いです。

なお、投資は自己責任でお願いいたします。

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