食事は旅先での大きな楽しみですよね。
そしてせっかくならその土地ならではの地の物を味わいたいものです。
この特産旅めしの記事では郷土料理とはまた違う、その土地の特産になっている食材を用いた美味しい食事を紹介していきます。
今回は東京都西多摩郡にある「鳩の巣釜めし」さんの奥多摩やまめの刺身をご紹介していきます。
奥多摩やまめとは
まず最初に奥多摩やまめってなに?という所から簡単に解説します。
やまめ自体は、味の良さや姿・形の綺麗さから”渓流の女王”とも呼ばれる人気の川魚です。
その中で奥多摩やまめは、東京都水産試験場奥多摩分場(現、奥多摩さかな養殖センター)で先端技術を応用して開発された大型やまめのことを言います。
(ちなみに、奥多摩やまめは東京都農林水産振興財団の東京ブランド畜産物・魚にも認定されています。)
一般的なやまめとの違いは「受精後 間もない卵を一度28℃のぬるま湯に15分間付け、その後通常の孵化槽に戻して育てる」という、卵の時点の育て方によってうまれます。
こうして育てられたやまめは成長しても性的に成熟することなくなり、卵や精子を作らなくなります。
その為、通常は産卵のため2年で死んでしまうやまめですが、より長生きする様になるのでそれに伴いサイズも大きく成長し、大型のやまめへと成長するのです。
なお、一般的なやまめの大きさは20~30cmですが、奥多摩やまめは3年で40cm(約1.5kg程)、4年で50cm(2kg程)ほどまで成長するとの事です。
観光地でよく見かけるやまめの塩焼きを思い浮かべて頂ければ、この奥多摩やまめのサイズ感がどれだけ大型なのかをイメージしやすいかと思います。
通常のやまめは塩焼きの他に調理のバリエーションはあまり無いですが、奥多摩やまめは大型化によって身を大きく取れるようになった事で、刺身や寿司・ムニエル・燻製などと食べ方の幅が広がり人気も高まっているようです。
「鳩の巣釜めし」の奥多摩やまめ料理
「鳩の巣釜めし」さんについて
まず最初にインパクトがあるのが店名です。
食事処の店名に「鳩の巣」はどうなの?とは思ってしまいますが、これは地名的なものと思われます。徒歩1分の場所に、JR青梅線「鳩ノ巣」駅があるので、ここから来た名前なんでしょうね。
外観はまさに山間部の昔ながらの食事処と言った感じで、外から店内を覗けない造りも相まって入るのには少し勇気がいる感じです(笑)
ですが、入り口の扉を開けると印象は一変します。
テーブルや椅子は木を基調にしていて温かみがあり、壁には綺麗な動物等の写真が並んでいて、照明も思いのほか明るく、とても居心地の良いお店でした。
また、僕が伺ったのは土曜日の昼間ですがこの時の印象としては、客層はほぼ観光客なので一見さんでも入りやすく、カウンター席には1人の方も何名かいたので、誰でも気軽に入れる店に感じました。
提供している食事のコンセプトとしては、一つ一つ手作りにこだわった釜めし・川魚・山菜料理を提供することを心掛けているとの事です。いいですね。
食材では、奥多摩産しめじ・奥多摩やまめを使用しており「とうきょう特産食材使用店」の登録を東京都から受けているとの事です。
奥多摩やまめの刺身
今回の目的、奥多摩やまめの刺身はこちらになります。
やまめとは思えない切り身の大きさですね!
普段、塩焼きで食べるやまめが切り身になった事を想像してみると、この切り身のもとになった奥多摩やまめがどれだけ大きいのかのイメージが沸くかと思います。
味の方は、(やまめはサケ科なので)見た目と同じで普段よく目にする海のサーモン(アトランティックサーモン等)に近いイメージです。
刺身を食べてみた感想は、川魚なのにまったくクセが無くて食べやすいです。
いつもの海サーモンと比較すると、餌の違いからか脂感は少な目に感じましたが、その分いくらでも食べられる感じです。
やまめは塩焼きという今までのイメージをぶっ壊すだけでなく、刺身として美味しく食べられるという驚きを与えてくれる奥多摩やまめは、是非一度食べに行く価値はあると思いますよ!
なお、別記事で紹介している「山梨県の甲斐サーモン」と結構近い感じがありました。
その他のメニュー
<奥多摩やまめ塩焼き定食>
やまめと言ったら王道は塩焼きですね!
今回は目的がやまめの刺身だったので迷いましたが、せっかくなので塩焼きも注文しちゃいました。
身はふっくら柔らかく、程よい塩加減の中にやまめ独特の香りも感じられて、こちらもとても美味しかったです。
せっかくの奥多摩やまめ、刺身と塩焼きを両方を注文しておくのがおススメです!
<きのこ釜めしセット>
お店の名前にもある釜めしは、きのこ釜めしと山菜釜めしの2種類がありました。
今回頂いたのはきのこ釜めしの方だけでしたが、米にしっかりと味が入っていて、これもおススメ出来る一品でした。
ただ、実は衝撃だったのは釜めしよりもスープの方で、味の決め手が何なのかが掴めなかったのですが、とにかくめちゃくちゃ美味しかったです。
塩焼き定食は味噌汁だったので釜めしセット用のスープと思いますが、この味のためにもう一度行きたくなるくらい美味しいスープでした。
(スープも釜めしの器なのはちょっと笑いました)
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は東京都の奥多摩やまめを提供しているお店を紹介させて頂きました。
どの県にも県として力を入れているご当地食材があるので、引き続きこれからもこれら県のブランド食材を美味しく食べられるお店を紹介していきたいと思います。
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